焙煎理論

焙煎理論その①

焙煎理論

みなさんは好みの焙煎度がありますか?
一般的に焙煎度が浅ければ酸味が強く、焙煎が深くなるにつれて苦味が増してくるというイメージを持たれていると思います。
そのイメージは正解です。

焙煎という工程では生豆が持っているポテンシャルをどこまで引っ張り出せるかが焙煎士の腕の見せどころとなります。
珈琲が好きな方はよく理解されているかと思いますが、珈琲のフレーバーは酸味と苦味だけではありません。
香味だったり甘味だったりもあります。
それらも焙煎度の違いによって強くなったり弱くなったりします。
生豆の種類によって、酸味が消えにくいものや深くなっても苦苦しくならないものもあります。
あくまで大まかな参考ではありますが、私は焙煎する際に下記のような図をイメージしながら焙煎しています。

もちろん、すべての豆がこのように変化するとは限りません。
あくまで参考値です。
生豆の状態では植物性の苦味が強いです。渋みを伴うのであまり美味しいと感じられるものではありません。こちらは火が入るとだんだん減少し、浅煎りのあたりで最小となり、そこからは甘味や美味しい苦味が強くなっていきます。生野菜に火を入れると甘くなるイメージです。
酸味・アロマ・ボディは生豆の状態ではほとんど有りませんが、火が入るにつれて徐々に増えていき、やがて消えていきます。
また、火が入りメイラード反応やカラメル化反応を起こし始めると、香ばしい苦味が強くなっていきます。

この図をイメージしながら、生豆ごとにどの段階がその豆にとって一番味わい深くなるかを考えて煎り止めのタイミングを計らいます。

珈琲豆屋さんによっては、生豆ごとに好みの焙煎度で焼いて提供してくれるところもありますが、うさぎ珈琲ではそれをしていません。
好みの焙煎度にしてくれるのは悪いことではありませんが、せっかくなら一番味わい深いと思える状態で提供したいと考えるからです。

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