焙煎方法焙煎理論

貝殻豆は欠点豆か

焙煎方法

珈琲豆を焙煎していると、写真のような中がくり抜かれたような貝殻豆と呼ばれる豆が出てきます。
珈琲豆屋さんによって、欠点豆としてハンドピックで取り除くお店と、見た目はアレだが味に違いは出ないとして取り除かないお店とあります。

貝殻豆は味にどような影響を与えるのか、検証してみることにしました。
方法は簡単、貝殻豆だけを集めて飲んでみるだけです。

味の感想の前に、貝殻豆ができてしまう原因についてご紹介します。
コーヒー豆はコーヒーノキの果実(コーヒーチェリー)の中に2個が向かい合うように入っています。向き合っている面が平らなので「フラットビーン」と呼ばれることがあります。たまに1個しか入っていなくて全体的に丸っこいものもあり、それは「ピーベリー」と呼ばれ、それだけを集めて焙煎されるなど一定の需要があります。

コーヒー豆は通常1個につき1枚のパーチメントと呼ばれる薄皮に包まれていますが、たまにパーチメントの中に2個のコーヒー豆ができてしまうことがあります。このような現象を「多胚」といい、2個が一体化した大きな豆を「エレファントビーン」と呼びます。

このエレファントビーンは1個がもう1個を包み込むように成長することが多く、包み込んだ外側が中身がくり抜かれたような「貝殻豆」になり、内側の豆は耳のような形をしているので、「耳豆」と呼ばれます。
生豆の状態では一体化したままの状態であることが多いのですが、焙煎して膨らむ過程で剥がれて2つに分かれることが多いです。

貝殻豆が与える味への影響について検証するために、焙煎で出てきた貝殻豆を集めておきました。
約15g集まったので、普通にペーパードリップして飲んでみます。

いろんな種類の貝殻豆を集めたので、ブレンドらしい複雑な味わいはしましたが、ネガティブ要素としては焦げの嫌な強い苦味を感じました。
渋さやエグミといった要素はなかったです。

考察としては、通常のコーヒー豆とは形が異なるものの、成分的には同じなので、渋みやエグミと言ったカビ豆や虫食いなどの欠点豆にみられるようなネガティブ要素はありませんでしたが、貝殻豆や耳豆は体積の割に表面積が大きく火が入りやすいため角の部分などが焦げやすく、その焦げの味が全面に出てしまっているのではないかと思います。
焦げてなかったとしても、通常の豆と一緒に焙煎していて、通常の豆に合わせて火力を調整しているので、貝殻豆は通常より火が入った状態になるため、味にクリーンさを求めるのであれば取り除いたほうがいいと感じます。
火が入りやすい分生焼けになることはないので、浅煎りの貝殻豆だけを集めたらおもしろい味わいになるかもしれません。

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