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自分の1杯を作りたくなった時に読んでもらいたい書籍

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今回紹介する書籍は、蕪木 祐介 著の『珈琲の表現』雷鳥社出版です。
東京都台東区に店舗も構える「蕪木」のオーナーによる書籍です。

私が本書をおすすめしたい層としては、自宅でのドリップになれてきて味づくりにこだわりを出していきたいと思い始めた方におすすめしたい書籍となっております。
基本的にネルドリップでの説明になるので、ペーパードリップに慣れてきてネルにも挑戦しようかなと思っている方にもおすすめです。本書にも書かれていますが、ネルドリップって敷居が高いように感じますが、実はそんなことはなくて日々の管理が少し手間がかかるだけで、抽出自体はそんなに難しいものではありません。もちろん奥が深い抽出方法なのでこだわれば、ネルの素材や厚み大きさなどなどこだわる部分も多く、シンプルで初心者向けというわけではありませんが、そんなに気構える必要もない抽出方法だと思います。

本書は、4章から構成されておりそれぞれ「珈琲を淹れる」「珈琲を知る」「珈琲閑談」「珈琲を愉しむ」となっております。
1章でドリップに必要な道具と基本的なレシピを紹介しており、2章で味に拘るための豆選びのコツを、4章で基本のレシピを少しカスタマイズしてより好みを追求するためのレシピを紹介しております。

珈琲の味を「苦味と酸味のバランス」「濃度」の軸から目指したい味の出し方を「豆の種類」「豆量」「粒度」「湯温」「湯量」「抽出速度」等の変化でどのように出せるかを細かく説明しております。
抽出で珈琲の味を変化させる要素はたくさんあり、それぞれが複雑に絡み合っているので、あまり単純化することができません。しかし本書ではどの順序で要素をどのように変えていけば良いのかがわかりやすく説明されているので、きっと自分の好みの味を抽出する技術を見つけることができるようになると思います。

3章の珈琲閑談を中心に、本書にはいたるところで著者の珈琲愛がにじみ出ていて、読んでいて心地よさもあります。使用している道具にもこだわりが随所に見られます。そしてそれらが写真で紹介されているので、珈琲道具への愛着心もくすぐってくれます。

本書を通して著者への興味も出てくることから、店舗にも足を運びたくなるでしょう。
私も先日、店舗にて珈琲を頂きましたが、店舗の雰囲気やスタッフの所作全てに統一感があり、少し姿勢を糺したくなるような緊張感があり、特別な時間となりました。

店名を「蕪木」とした背景も面白く、店名に珈琲や焙煎所などをつけなかった理由の一つにチョコレートも作られていることがあるのですが、チョコレートも絶品で珈琲との相性も抜群でした。
本書を手にとって興味を持たれたら、是非店舗にも足をお運びください。

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