感覚過敏は生きづらさか、能力か


先日のブログで運動とトレーニングをごっちゃにするのは危険と書きましたが、かくいう私も実はジムに通っておりました。はじめのうちはせっかくジムに来たのだからと筋トレを楽しんで、ランニングとかも1時間走ったりしていましたが、1ヶ月でしたね。継続できたのは。2ヶ月目からは週1でジムに行ったらいい方で、頻度は日に日に落ちていきました。「俺はジムにすら通えないのか」と自責に襲われて、月謝を払うのも馬鹿らしくなってしまい、昨日退会の申し込みをしてきました。これからは気楽に散歩などをして運動不足を軽減していきたいと思います。

さて、本日は感覚過敏感覚鈍麻についてお話していきます。

感覚過敏とは、読んで字のごとく感覚がとても敏感で、生活に困難をきたす症状のことです。例えば聴覚が過敏で普通には気にならない音まで聞こえてしまい不快を伴うとか、触覚が過敏で他人に触れられるのをひどく嫌うとか、視覚が過敏で外の風景が眩しすぎて見えなくなってしまうとか、様々です。
逆に感覚鈍麻は、感覚が鈍感過ぎて生活に支障をきたす症状で、痛覚が鈍感で通常なら即入院の内臓疾患であってもちょっと痛いなぐらいにしか感じず発見が遅れるなんてこともあります。
これらの症状ですが、生理学的に敏感である場合だけでなく、心理学的な要因も多分に含みます。

五感のすべてが過敏の人もいるし、ある感覚だけ過敏の人もおり、発達障害の人によくみられる症状です。

私の場合、敏感な順に聴覚過敏、嗅覚過敏、触覚過敏、視覚過敏がみられます。
逆に温度の暑い寒いには鈍感で服装が周りとぜんぜん違うなんてこともあります。
特に聴覚過敏は悩みのタネで嫌な音はほんとに多いです。

  • 原動機付自転車のエンジン音
  • クラクションの音
  • 電車と電車がすれ違う時のビリビリ音
  • 蛍光灯のジーーーっていう音
  • 空調のゴーーーっていう音
  • 機械音全般
  • 人混みのザワザワした音
  • ドタドタという足音
  • 突然の笑い声

などなど、避けることができない音に対して不快な感情が出てしまいます。
私はトラフィックな音や匂いが特に苦手で電車とかに乗ると気分が悪くなることが多いです。

いつでも嫌ってわけではなく、心理的な要因が含まれるのがポイントで、その日の体調や気分によって不快度が変わります。
前の職場での話ですが、休みがちになってしまい、そろそろ出なきゃいけないなと思い、不調ながらも出勤した日のことです。事務所内で聞こえてくる会話や電話のコール音、コピー機の音などすべてが頭の中で鳴り響き騒音に聞こえてしまい、不快で不快で「イ”ーーーーーーーーーーーッ!!!」ってなったため、トイレに逃げ込みました。トイレはトイレで空調の音がうるさかったのですが、それでもオフィスよりはマシだと思って、気分が落ち着くまでその場から動けませんでした。本当に頭がおかしくなるかと思うほど、爆音でした。
そんなに人数の多い事務所ではなかったのですが(だいたい20人くらい)、しかも通常の人にとってみればよくある日常の音量なのに、私にとっては耐えることができない音量として聞こえてくるのです。

この感覚過敏、なぜ発達障害の人に多く見られるのか、私なりの考察ですが、優先順位をつけるのが苦手という特性に起因していると思います。
通常、耳から入ってくる情報(音)は脳に届く前に重要かそうでないか必要か不要かって仕分けられて重要で必要な情報だけをフォーカスして脳に届けます。発達障害は優先順位をつけるのが苦手なので、何が重要で必要かってのが分からないんですね。
分からないからすべての音を脳に届けちゃう。脳が不要な音を無視して捨てることができないから情報多すぎてパンクしてしまうんだと思います。

他の感覚も一緒で、不要な情報を捨てることができず、ずっと気になってしまい、情報が許容量をオーバーしてしまい不快になるんだと思っています。
この許容量ってのが心理学的な要因でその日の気分や体調によって変化します。だから昨日は同じ情報量でも昨日は大丈夫だったのに今日はダメってなるんだと思います。

ハッキリ言って生きづらいです。嗅覚過敏で化粧品売り場や人混みの匂いはほぼ気分が悪くなりますし、触覚過敏で服のタグは常にチクチクして切り落としたくなります。切り落としたら落としたで切った箇所がチクチクするので解決にはなりませんが。また、体にフィットする服もダメです。襟付きの服とか着たくありません。最近ではマスクを付けるのが苦痛で仕方ありません。
スーパーやコンビニに行けば冷蔵庫の音が不快すぎて、長く居たくありません。

ただ、不便なことばかりではないんです。
普通の人が無視してしまうような情報も拾ってしまうので、シックスセンスとでも言いましょうか、感覚が冴えることもあります。

「この部屋酸素濃度低いな、換気しよう。」とか「この料理痛み始めている気がする。食べないでおこう。」とか「テレビのビデオ表示になってる。電源切ろう。」とか。
そういう機微な情報をいち早く察知できます。
さらに好きな匂いについては、通常の人より識別することができるといった特技にもなります。
この特性を生かして、コーヒー焙煎士になっている岩野響さんという方がおり、私の希望の光になっています。
(岩野さんの著書についてもいつか紹介したいと思います)

発達障害は脳の進化だという人もいます。

果たして感覚過敏は生きづらいことなのか、それとも能力なのか。

まぁ、私にとっては生きづらさでしかないんですけどね。

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