最近妻が浅煎りの珈琲に興味を持ったらしく、酸味はあるけど酸っぱさのない珈琲の焙煎に挑戦しています、正太です。
さて、休職期間も4ヶ月が過ぎようとしています。初めのうちは療養することに必死で、なにもする気になれませんでしたが、最近は調子のいい日も続いており、自発的に動けるようになりました。ただ、たまにものすごく落ち込む日もあり、家から出たくない、家事すらする気にならない状態に陥ります。
そんな時は本を読むようにしています。本を読むことで余計なことは考えずに済むし、時間が経つのが早いのであっという間にマイナスな1日を終えることができます。
今回ご紹介する本は、「喫茶店開業」と「鬱からの脱却」という2つのキーワードが織り込まれており、今の私にはぴったりの本でした。
本書は、大学時代に就職活動に失敗した著者が、一時は死ぬことも考えたが友人の一言に救われ、自分の居場所がないなら自分で作ってしまえばいいと、学生の間に喫茶店を開業する実話の物語である。
学生起業といっても、ドキュメント番組とかで取り上げられそうな上場物語ではなく、「しょぼい喫茶店」という東京の片隅にほんの小さな喫茶店を開いたというだけであるが、そこには自分の活動をPRするため有名なブロガーに注目されるような情報発信をしたり、開業資金を得るために動き回ったり、著者の活動に感化され活動を手伝いたいとうつ状態であるにも関わらず鹿児島から上京までさせるファンを獲得したりと、物語のキーパーソンを取り込む描写が描かれている。
鹿児島から上京した彼女はのちに著者と結婚までするが、あとがきにてうつのトンネルからどのように抜け出し寛解していったのかが書かれている。
また、開業してから初めの内は軌道に乗っていたものの、だんだんと客足が遠のき、あれこれと試行錯誤する様や、喫茶店の売り上げ以外の収益の上げ方なども書かれている。
うつ病と戦いながら喫茶店開業を夢見る私にとって、本書の内容が魅力的に感じないわけがなく、とても眩しく思い入れのある1冊となった。
本から学んだ教訓としては「頼れる人に頼れ」と「とにかく行動せよ」というものである。
著者は開業に行き着くまで、また開業してからも「頼れる人に頼って」おり、そのために闇雲でも行動しているのが功を奏している。
また伴侶はうつから抜け出すために、できることを行動に起こしており、それが希望の光となって寛解に向かっている。
この二つを教訓に私も活動していきたいと思えた。
さらに、著者が成功した理由の一つに、喫茶店開業が目標ではなく、喫茶店開業を手段としているとこにあるかと考える。
先日知人に言われてハッとしたのだが、日本人は就職することを目標としてしまい、就職した後に向かう方向性を失ってしまうことがよくあるとと言われた。確かに公務員になることが目標になってしまっていた自分があり、そのために挫折してしまったのかもしれない。
本書の著者は、生きていくことが目標であり、その手段として開業を選んだ。その結果、臨機応変に動けているし、様々な人を取り込むことに成功している。
私も、うつから抜け出し幸せに生きることを目標に、その手段として喫茶店開業があると思いながら過ごしていきたい。
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