自信の喪失と回復


自分を信じると書いて自信。
自信がない。
自分を信じることができないなら、
いっそのこと本心はどうなんだと疑ってみる。
執着していた心が、
本当はどう転んでも納得いくと答えてくれた。
そしたら「自信がない」がなくなった。

うつ病になって出来なくなった事と自信喪失について

うつ病になると、「なんでこんな事が?」と自分を疑いたくなるような簡単なことでさえ出来なくなる。
外に出られない。
まともに食事が取れない。
お風呂に入れない。
そもそも布団から出られない。
起き上がることすら出来ない。

そんな経験をした。
その度に自信を喪失していった。

うつ病の回復期に至った今でも、病気する前は出来ていたのに、出来なくなったことはたくさんある。

  • フルタイムでの仕事
  • 人がたくさんいるところへの外出
  • 雑音にストレスを感じることなく過ごす
  • 眠剤を使わずに熟睡
  • 電話
  • 襟付きの服を着る
  • 運動
  • 炊事洗濯お風呂を毎日続けること
  • etc..

挙げ出せばキリがないが、出来ないことを出来ないと直視すると、まともに生きることも困難に思えて、自信はどんどんなくなる一方だ。

自信回復について

では、自信を回復するにはどうすればよいか。
答えは簡単で、出来なくなったことを再び出来るようになること、である。
しかしこいつが案外実際にやるとなると難しい。
いかんせん自信を失っているから、たまたま出来たとしても、偶然とか今日は調子が良かっただけとか、何かに付けて出来るようになったと認めるには勇気が必要だ。

ある日突然「よしこれが出来るようになったぞ!自信がついた!!」などと、RPGのレベルが上って特技を覚えるような分岐点はない。
何かが出来るようになるとは、グラデーションで、徐々に出来ない比率が下がり、やがて「昔は出来なかったけど今思うとなんてことないな」と思える日がやってくる。
振り返ってみて、ようやく自信がつくのだ。

出来なくなった事を出来るようになったかなと振り返るのは怖い。
出来ないまま成長なんてしてないんじゃないかと不安になる。
なんせ、自信がないのだから。

だから私は強制的に振り返る術を導き出した。

過去を強制的に振り返るアイテム

前章でも述べたように、出来ていた事が出来なくなるのは瞬間的に無理と分かるが、出来なかった事が出来るようになるのには過去を振り返ってみて初めて「そう言えば」となる。
出来るようになる過程のグラデーションは長く、1ヶ月そこらを振り返って自信になることもあれば、1年以上かかることもある。

1年前、何が出来て何が出来てなかったかなんて細部まで覚えていないのが普通だ。
だから私は日記をつけることにした。
おすすめの日記の付け方は、365ページある日記帳に5年間日記を書くこと。
具体的には、例えば1月1日の事を日記に書くのは1年目も2年目も5年目も同じページに書き込むのだ。そうすれば2年目の日記を付ける時に、昨年の同じ日付どんな日記を書いたかが目に付く。

日記の内容は簡単なものでもいいし、箇条書きでもいい。今日出来たこと、出来なかった事を書く。
そうすれば、去年はこれが出来なかったけど、今は問題ないなと知ることになる。

私の過去と現在

私は昨年まで公共交通機関に乗ることが出来なかった。
閉ざされた空間に様々な人が高密度に居ることが不安で耐えられなかったのだ。
バスに乗らないといけない時は、ノイキャンのイヤフォンを着けて、帽子を深々と被り、マスクで顔を覆い、抗不安の頓服を飲んで初めて乗ることができた。
それでも、気になる音や匂いがあると不安で胸がキューッと押しつぶされるような感覚に陥っていた。
そういった状態だったことは日記に書いてあるので、今でもありありと思い出すことができる。
現在は、バスに乗ることに対し、あまり恐怖は抱いておらず、頓服を服用しなくても乗ることが出来る。

振り返ってみて、バスに乗れるようになったぞ!と自信を持つことが出来た。

そもそも外出についても、知らぬ間にできるようになっていた。
昔は人の目が怖くて外出すら出来なかった。
すれ違う人すれ違う人に後ろ指さされている気がしてならなかった。
当時は日記を書いていなかったので、どのように出来るようになったのか、きっかけはいつだったのか、思い出すことは不可能になってしまった。

まとめ

自信を失うのは瞬間的に失うのに対して、自信を回復するのには時間がかかる。
徐々に出来なかったことが出来るようになり、振り返ってみて初めて自信に繋げることができるようになる。
出来なくなるきっかけは結構記憶に残りやすいが、出来るようになるのは、出来るようになった事に注目が行き、そのきっかけについては忘れてしまうことが多い。
だからこそ、振り返る習慣と記録をつける習慣が大事なのだと私は思うのです。


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